2020年の教育改革で必修化された英語とプログラミング。子供の習い事として人気を二分するこの2つですが、「どちらから始めるべき?」「両方習うメリットは?」と悩む保護者が急増しています。本記事では、それぞれのメリット・デメリット、相乗効果、そして教室の選び方までを徹底解説します。
なぜ今、子供の習い事に「英語」と「プログラミング」が人気なのか?
2020年度からの小学校での「必修化」による影響
2020年度の教育改革により、小学校で英語とプログラミングが必修化されました。これにより「学校の授業についていけるか」と不安を抱く保護者が急増しています。特にプログラミングは親世代に馴染みが薄く、家庭で教えることが難しいため、外部のスクールに頼る傾向が強まっています。成績への影響はもちろん、中学校以降の学習難易度が上がる前に「基礎」を固めておきたいというニーズから、この2つが習い事の筆頭候補として選ばれています。
AI時代に必要な「世界共通言語」と「論理的思考力」
これからのAI時代を生き抜くために必須とされるのが、世界中の人と意思疎通を図る「英語力」と、AIやコンピュータを使いこなす「論理的思考力(プログラミング的思考)」です。英語は対人コミュニケーションのツールとして、プログラミングは問題解決のためのツールとして機能します。変化の激しい時代において、特定の職業に限らず、どのような道に進んでも「使いこなせれば有利になる武器」として、この2つのスキルが重要視されています。
受験や将来の就職に直結するスキルの重要性
大学入試共通テストへの「情報」科目の導入や、英語の4技能評価など、入試制度も実用的なスキルを重視する方向へ変化しています。また就職活動においても、グローバル化とDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、英語ができるIT人材は極めて市場価値が高いのが現状です。子供の将来の選択肢を広げ、安定したキャリアを築くための「最強のパスポート」として、早期からのスキル習得が注目されています。
英語 vs プログラミング|習い事としてのおすすめはどっち?
【英語】のメリット:コミュニケーション能力と多様な価値観の獲得
英語を習う最大のメリットは、世界中の情報にアクセスできることと、異なる文化背景を持つ人々と対話できることです。幼少期から異文化に触れることで、多様な価値観を受け入れる柔軟性が育ちます。また、英語特有の音を聞き取る「英語耳」は、年齢が低いほど発達しやすいと言われています。「まずは英語に親しみ、英語を好きになる」という体験は、将来的に学校での本格的な文法学習が始まった際のアレルギーを減らし、自信へと繋がります。
【プログラミング】のメリット:問題解決能力と創造性の向上
プログラミング学習の本質は、コードを書くこと以上に「どうすれば目的を達成できるか」を筋道立てて考えるプロセスにあります。トライ&エラーを繰り返すことで、失敗を恐れずに挑戦する力や、物事を論理的に分解して解決する力が自然と身につきます。また、自分のアイデアをゲームやアプリという形で具現化できるため、子供の創造性(クリエイティビティ)を刺激し、「消費者」から「生産者」の視点へと成長させる効果があります。
結論:低学年は「英語(耳を作る)」、高学年は「プログラミング(論理思考)」
迷った場合の選び方として、脳の発達段階に合わせるのが一つの正解です。聴覚が鋭敏な小学校低学年までは、発音やリスニングの基礎を作る「英語」を優先するのがおすすめ。一方、抽象的な概念が理解でき、論理的思考力が芽生え始める小学3〜4年生以降は「プログラミング」の学習効率が高まります。もちろん子供の興味が最優先ですが、無理なく始めるなら「まずは英語、慣れたらプログラミングを追加」という順序が王道です。
実は最強?英語とプログラミングを「同時」に学ぶ相乗効果
プログラミング言語は「英語」がベース!コード理解が早まる理由
実は、PythonやJavaScriptなどの主要なプログラミング言語は英語ベースで作られています。「if(もし〜なら)」「print(表示する)」「error(間違い)」など、英単語の意味を知っていれば、コードの役割を直感的に理解できる場面が多々あります。英語を学んでいる子は、プログラミングの命令文を単なる記号ではなく「意味のある言葉」として捉えられるため、学習スピードが格段に上がり、挫折しにくいという大きなメリットがあります。
グローバルIT人材を目指すなら「英語で学ぶプログラミング教室」
最近注目されているのが、外国人講師が英語を使ってプログラミングを教えるスクールです。ここでは「英語を学ぶ」のではなく「英語で(ツールとして)学ぶ」という実践的な環境があります。プログラミングという没頭できる作業を通じて英語に触れるため、勉強感が薄れ、自然とリスニング力が鍛えられます。「英語×IT」のスキルセットは、将来的にGoogleやAppleのような外資系企業や、海外就職をも視野に入れられる強力な武器となります。
最新の技術情報はすべて「英語」。情報収集力に圧倒的な差がつく
プログラミングやITの世界では、最新の技術やドキュメント(説明書)は常に英語で最初に公開されます。日本語に翻訳されるのを待っていては、情報の鮮度が落ちてしまいます。英語とプログラミングを同時に学び、英語のドキュメントに抵抗がなくなれば、子供が将来エンジニアや研究者を目指した際、世界最先端の情報に自力でアクセスできるようになります。この「一次情報を取りに行く力」こそが、AI時代に代替されない人材になるための鍵です。
2つの習い事を両立させるための時間管理とコストの考え方
両方を別々の教室で習うと、週2回の送迎や月謝の負担(合計2〜3万円)が重くのしかかります。そこでおすすめなのが、前述の「英語でプログラミングを教える教室」や、同じスクール内で両方のカリキュラムがある教室を選ぶことです。これなら週1回の通学で済み、セット割引などが適用される場合もあります。また、オンライン教室を活用して移動時間をゼロにするなど、親の負担を減らしながら子供の可能性を最大化する工夫が「継続」の秘訣です。
失敗しない教室の選び方とチェックポイント
【英語教室】ネイティブ講師か日本人講師か?「楽しさ」と「資格」のバランス
教室選びでは目的を明確にしましょう。「英語耳」や「発音」を重視し、楽しく異文化に触れさせたいならネイティブ講師が適しています。一方、英検取得や学校の授業対策、文法の理解を重視するなら、日本人の子供がつまずきやすいポイントを熟知している日本人講師がおすすめです。最近では、通常授業は日本人講師、会話練習はオンラインで外国人講師というハイブリッド型も人気。子供の性格に合わせて「楽しんで続けられる環境」を選ぶことが最優先です。
【プログラミング教室】ロボット系かゲーム制作系か?子供の興味に合わせるコツ
プログラミング教室は大きく2つに分かれます。ブロック遊びや工作が好きな子には、実際に手で触れて動かす「ロボット教室」がおすすめ。空間認識能力も同時に育ちます。一方、ゲームや物語作りが好きな子には、画面上でキャラクターを動かす「Scratch(スクラッチ)」などの「ゲーム制作・ソフト系」が向いています。体験教室には必ず親子で参加し、子供が「もっとやりたい!」と目を輝かせる方を選んであげてください。
オンライン完結型なら送迎不要で両立しやすい!メリットと注意点
共働き家庭などで送迎が難しい場合、オンラインスクールが最適解です。自宅でリラックスして受講でき、親が学習の様子をそばで見守れるメリットがあります。また、全国どこからでも質の高い講師の授業を受けられるのも魅力。ただし、通信環境の整備や、低学年の場合は親のPC操作サポートが必要になる点は注意が必要です。画面越しでも先生との双方向のコミュニケーションが活発かどうかが、飽きずに続けるためのチェックポイントになります。
いつから始めるのがベスト?年齢別のおすすめロードマップ
【小学1〜2年生】遊び感覚で触れる(タブレット学習・英語耳)
この時期は「お勉強」と意識させず、遊びの延長で触れさせるのがベストです。英語なら英語の歌やアニメのかけ流し、プログラミングなら「ビスケット」などのタブレットで動く直感的なアプリを使用します。自宅学習用のアプリや教材も豊富なので、まずは親子で一緒に楽しむことから始めましょう。「できた!」「わかった!」という小さな成功体験を積み重ね、両方の科目にポジティブな印象を持たせることが、後の本格的な学習への架け橋となります。
【小学3〜4年生】本格的なスクール通いの適齢期
学校生活にも慣れ、論理的な思考ができ始める中学年は、スクール通いのゴールデンエイジです。英語ならフォニックス(発音のルール)を学び始めたり、プログラミングならScratchで複雑なゲームを作ったりと、体系的な学習が可能になります。子供自身の「好き・嫌い」もはっきりしてくる時期なので、体験授業をいくつか回り、先生との相性やカリキュラムの内容を吟味して、長く通える教室を決定するのに最適なタイミングです。
【小学5〜6年生】中学受験や実用性を見据えたスキルアップ
高学年では、より実践的なスキル習得を目指します。英語は英検などの資格試験に挑戦し、中学英語の先取り学習を行います。プログラミングは、ビジュアル言語(ブロック)から、実際に社会で使われるテキスト言語(JavaScriptやPythonなど)への移行を検討する時期です。中学受験をする場合は一時中断も視野に入りますが、これまでに培った思考力は受験勉強にも必ず役立ちます。中学入学後の部活等で忙しくなる前に、基礎を完成させておきましょう。
まとめ:子供の「好き」を伸ばす選択をしよう
本記事では、小学生の習い事として人気の「英語」と「プログラミング」について、それぞれのメリットや選び方、相乗効果について解説しました。まずは「好きになる」「興味がもてる」ことが重要です。先生の取り組み方・教室との相性も見極めも大切です。
英語もプログラミングも近未来、必ず必要な知識です。
どちらも学校教育だけでなく、将来のキャリア(就職)において必須級のスキルであるため、英語」は耳が柔軟な低学年から、「プログラミング」は論理的思考が芽生える高学年以降からと推奨されることが多いですが、遊びの延長で知らずとして学べている低学年・幼児期の学びは計り知れません。
プログラミングコードは英語ベースであるため、両方学ぶことで理解が深まり、相乗効果で身についていきます。
将来「グローバルに活躍できる人材」への道が見えてくるかもしれません。



